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D1 GRAND PRIX

D1 GRAND PRIX マシンとドライバーの実態
D1……趣味ですかねぇ、参加するのは
とにかく直線スピードでは負けられないなぁ!
猪瀬 徹
ショップオーナー兼チューナー兼ドライバー
猪瀬 徹
 数多くいるD1ドライバーのなかで、今回、猪瀬さんを取材したのは「直線が速かったから」。当日、SUGOの決勝を観た人なら納得するはず。コーナーでいかにドリフトを魅せるか、というD1だが、進入スピードの速さは迫力としてドリフトへつながる。スゴイ飛び込みで豪快なドリフトへ。これは観客のだれもが魅了されるのだ。ちなみに、SUGOでは5位という結果だった。
 というわけで、まずは猪瀬選手がD1ドライバーになるまでの道のりから紹介してみよう。
「地元に全国的にもレベルの高い峠道があって、当時はRXー7で走りに行っていたね。そのころはサラリーマンだったけれど、後輩たちが他県でクルマを買ってくるんですよ。で、ドリフトをやるクルマなら売れる、と中古車販売を始めた。納車時にオプションで車高調やLSD、インタークーラーを取り付けて売るんだけど、そのうちほかで買ったクルマも持ち込まれるようになってきて、今のチューニングがメインのショップになった、という感じかな」このフレンズというショップは、ドリフト車を扱う中古車ショップがエスカレートして?チューニングショップとなったお店なのだ。というわけで、本人はドライバーと言うより、メカニック、もしくはチューナーという自覚が高いように見受けられる。
 猪瀬選手はほとんどサーキットでは走らなかったらしいが、峠の先輩がいろいろなドリフトの大会に出場するようになってけっこういい成績を残したの見て「自分も」という気になった。さる大会で初出場で優勝。D1は初年度の2回目から参加。
「D1は趣味みたいなものかなぁ。ずっと参加しているし。大メーカーの看板背負っているわけではなく自己資金で続けてるわけで、ドライバーとしてはプレッシャーがありそうでない。D1の開催日だってお店は休まないしね。自分はどちらかと言えば『クルマを作る人』だと思う。それだけにクルマの性能では負けられない。とくに直線スピードは数字が出るから、これはこだわるよ。もし、同じようなクルマで10km/hもウチが遅かったら、そのお店にお客さんは行くでしょ」
 フレンズのシルビアは現在620馬力。「市販しているものしか使っていない」というチューン。「ワンオフパーツは壊れたら調達しづらいから嫌い」なのだ。エンジンは2.2Lクランクやオリジナルの86・5φピストン、トラストのH断面コンロッドを使い、燃焼室加工も徹底的に行ったフルメカチューンにTD06・25G、カムは260度とひかえめだが1万回転を可能にしている。
猪瀬 徹
 フェンダーも叩いて拡大している程度でボディはスポット増しと市販のロールケージ。足まわりもとくに特別なことなく、リンク類とアラゴスタベースのオリジナルサスペンションをセット。ディメンションさえも変更するマシンが走るD1のなかでは、むしろおとなしい仕様では?
 そんなマシンがD1で最速をマークする。その秘密の一端がモーテックコンピュータによるセッティングとデータ収集。実際今回のSUGOでも使用するギヤや車速に合わせてかかるブーストを(走行中に自動で)細かく変更したり、NOSを噴くタイミングも制御。もちろん燃調もモーテック1台でこなす。
 さらに1本走れば何回転で進入したか、ドリフト中も含め車速はどれくらいだったか、シフトアップポイントなどを収集し当日のコースやマシンコンディション、対戦相手などに合わせ、セッティング変更を行う。モーテックをハイレベルで自在に使いこなしているマシンは、まだD1ではほとんどないようだ。
「ウチはメーカーじゃない。ショップとしてお客さんのクルマがいかに速くなるかが大事。モーテックのデータもお客さんのために活かす」
 走れるチューナーがいるショップのオーナーはD1ドライバー。このイベントは多士済々なのだ。
●ターボは小振りなTD06・25G。中速をどれだけ引き出せるかを重視した仕様で圧縮比8.3、840ccインジェクターを4本セット。エンジンは内部はフルメカチューンといってもいいだろう。
●インテリアはかなりシンプルでこのまま街乗りにも行けそう。市販のロールケージ、スポット増しと通常の手法で強化したボディは特別なことは何もしていないというがこれで十分とのこと。
最速の秘密(1)
MoTeCを使いこなす
 使用するのはM400。GTマシンにも使えるレベルのもの。燃調、過給圧、NOSの噴射タイミングまで1台でコントロールできる。興味深いのは走るたびに残されるデータ。とくにドリフト中のフロント&リヤタイヤのグリップ状態=車速まで読みとれる(ABSなどからセンサリング)。ドリフト状態でタイヤが空転していても1本走れば、ギヤの選択やシフトごとの過給圧の調整などセット変更がデータに合わせて行えるのだ。
最速の秘密(2)
NOSとは? いつ噴くか!? がポイント
 ニトロ、ナイトロー、NOS(ノス)、言い方はいろいろあるが、正式にはナイトラス・オキサイド(亜酸化窒素)。酸素を多量に含んだ液化ガスでエンジン内で気化膨張する。空気が大量だから燃料も多く燃やせてパワーアップという仕組み。で、猪瀬さんのシルビアは4速に入ったところで噴き、極力スリップを抑え、同時にリタードも行うプログラム。制御はもちろんモーテックによる。
フレンズ
猪瀬 徹さんのお店
フレンズ
栃木県下都賀郡野木町友沼6602-4
TEL 0280-54-1650
エンジン室も備える本格チューニングショップ。トップドライバーとしての経験を持つチューナーがいるわけで信頼性はお墨付き。メカチューンからターボチューン、サスチューンまでドリ車以外のチューンもお任せだ。
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