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ツライチセッティングの奥義

トレッド面のグリップをすべて路面へ伝える サスペンションの動きが限定されたままキャンバーを付ければタイヤの片べりは確実に起こる。 片べりが激しいということは、タイヤのトレッド面を有効に使っていないということに。スタイルアップだけのローダウンはもう古い。
理想的なサスペンションの動きとは?
 前のページで触れたようにアライメントセッティングは、非常に重要な項目となっている。
 ちょっと試してもらいたいのだが、ペンを持って頭側を左手で固定、右手で動かしてみてほしい。右手側となるペン先は球の表面をなでるように動く、サスペンションの基本的な動きはこれと同様で、アームの数を増やすことで球の数を増やし、直線運動に近づけている。つまり、ほとんどのサスペンションの動きは曲線の組み合わせだ。
 理想的なサスペンションは、つねにタイヤのトレッド面が垂直に路面に当たっていることだが、路面自体が平らではないことも含めて、これを実現するのは不可能に近い。また、それを追求したがために、サスペンションが大型化したり、動きが悪くなったりすることもある。
 そうしたなかで生まれてきたのが現在のサスペンション形式。さまざまな動きを考慮して、けっこうギリギリのラインでサスペンションは設計されている。
 それをローダウンさせるのだから、当然そのままではベストなセッティングができなくなるもの。
 そこで登場するのがアフターパーツのサスペンションアームだ。ローダウン化によって生じるアライメントのズレを、アームによって吸収(調整)しようというもの。多くのアフターマーケット・アームはアーム長の調整などが可能で、アライメントを適正値にすることが可能。
 また、多くの場合、ノーマルのアームはジョイントにゴムのブッシュを使い、そこでショックなどを吸収しているが、アフターマーケット・アームはそのジョイント部分をピロボールというベアリングの一種にすることで、よりダイレクト感のある動きを可能にしている。
 アライメントが調整しきれない、よりリニアなハンドリングがほしい、といったことを解決するのがアフターマーケット・アームなのだ。
IKEYA FORMULA 直伝 4
ツライチセッティングで完ぺきにストロークするサスペンションを目指す
ロールセンターを補正して
ルックスとともに適正ストロークによる乗り心地も確保する
ローダウンでロールセンターは変化する
ローダウンでロールセンターは変化する
 よく混同するのがロールセンターと重心。ロールセンターと重心はまったく違うもの。重心はあくまで重量の中心、ロールセンターはサスペンションアームの配置によって決まるロールの支点。重心は低いほうが望ましいが、ロールセンターは高いほうが望ましい。ロールセンターが低くなると、ロール時の振れ幅が大きくなる。ノーマルサスでローダウンした場合は、ロールセンターも同時に下がるので、アームを交換してロールセンターを上げることで振れ幅を抑えることが重要となる。
タイロッドも要check
タイロッドも要check
 前輪にはタイヤを左右に動かすためのタイロッドという部品が装着されている。このタイロッドもサスペンションアームと同様にタイヤの動きに影響を与える。ハブセンターの前側にタイロッドがある場合は、タイヤが沈んだときにトーインとなり、ハブセンターの後ろ側にあるとトーアウトになる。つまり、タイロッドが前のクルマはよりステアリングが切れた状態、タイロッドが後ろの場合はステアリングがもどった状態になる。これがクルマの大きなクセとなって現れるわけだ。自分のクルマはどちらか確認してみよう。
イケヤフォーミュラ
栃木県鹿沼市樅山町427-1
TEL:0289-64-5652
http://www.ikeya-f.co.jp/
 会社名にフォーミュラの名前が付いていることからもわかるように、イケヤフォーミュラはフォーミュラマシンのシャシーなども手掛けるプロ集団。
 サスペンション関係などを中心に、パーツ製造販売も積極的に行っていて、ドレスアップだけでない「きちんと走るかっこいいクルマ」造りには定評ある。取材当日、対応していただいたのは、自動車開発部の高橋喜則氏。サスペンションに関する豊富な知識を持ち、確固たる信念でクルマ造りを行っている方で、この人に任せれば大丈夫!という印象を与えてくれた。
イケヤフォーミュラ 高橋善則氏
自動車開発部・フロント
高橋善則氏
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